衛生学について
食中毒について
食中毒の定義
食中毒とは、食材や食材以外の器具容器包装を介して、人体へ進入した食中毒菌と呼ばれる、病原微生物や有害有毒な化学物質などにより、引き起こされる急性胃腸炎症状(腹痛、下痢、嘔吐等)を、主病とする症状が出る事を指します。
食中毒の実態について
食中毒に関すニュースが、最近の新聞紙上では多く目にしますが、実態はどんな状態なのか?
厚生省が出している食の安全推進アクションプラン
http://www.mhlw.go.jp/topics/0101/tp0118-1.html#no6の資料から抜粋しました。
食中毒の実態
近年、食品に対するニーズの多様化を反映して、輸入食品の増加、食品製造・加工技術の進歩及び流通の広域化等、食品を取り巻く環境は著しく変化してきています。これに伴い食中毒発生状況も同時に変化してきています。
(1)食中毒事件数、患者数、死者数
食中毒統計を開始した昭和27年から平成7年までの食中毒の変遷をみると、事件数については、昭和30年代には2,000件を前後していましたが、40年から50年までは1,500件から1,000件に、60年代以降は1,000件以下と減少傾向にあります。死者数についても、昭和40年代前半までは100人以上であったものが、60年代以降は10人以下となっています。患者数については、平成7年までは年間30,000人前後の発生が見られました。
これらの傾向より、患者数については格段の減少は見られないものの、事件数・死者数については減少傾向にあり、食中毒が大規模化していることが分かります。こうした傾向は、食品の大量生産、広域流通及び外食産業の普及などがその背景にあると思われます。
近年の傾向においては、平成8年に腸管出血性大腸菌O157による大規模事件の発生やサルモネラによる事件の増加にともない、事件数、患者数、死者数とも大幅に増加傾向を示しました。また、平成9年から患者数2人以下のいわゆる患者1人の散発事件も適正に届出られるようになり、事件数が増加傾向にあります。
なお、平成12年6月に発生しました雪印乳業の事件では、約1万3千人の患者を出しています。
(2)原因施設別事件数
「家庭」を原因とするものの割合は、昭和30年代には40%前後を占めていましたが、減少を続け、60年代以降には20%以下となっています。一方、「飲食店」を原因とするものの割合は増加しており、30年代には数5%前後であったものが60年代以降は30%を越えるようになってきています。こうした傾向は、大量生産による調理済み食品の普及や、外食による食品摂取機会の増加などがその背景にあると思われます。
(3)病因物質別判明率
病因物質が判明したものについてみると、「細菌」による事件が高い割合を示しており、近年では「腸炎ビブリオ」、「サルモネラ属菌」、「カンピロバクター」、「その他の病原大腸菌」等の細菌による事件が80%以上を占めています。
特に「サルモネラ属菌」、「腸炎ビブリオ」、「カンピロバクター」による事件が急増しています。
(4)平成12年食中毒発生状況
事件数2,247件(対前年比83.3%)、患者数43,307人(対前年比123.0%)、死者数4人(前年7人)で、うち1人の事例の事件数1,007件(対全体比の44.8%)でした。
食中毒の分類
食中毒の主な原因は上記の(3)病因物質別判明率にあるように80%以上は細菌性食中毒で占めれています。
近年は食生活が豊かになり、外食産業は急成長し、それに伴い飲食店・仕出し屋・旅館や学校などが原因施設となります。平成8年には腸管出血性大腸菌O157の流行は深刻な社会問題となりました。
食中毒とその予防法の正しい知識と理解が大切です。食中毒をおこす種類よって原因となる食品や症状が違います。
食中毒は大きく分類すると
細菌性食中毒・
ウィルス性食中毒・
自然毒食中毒・
化学物質による食中毒・
アレルギー様食中毒の5つに分類する事ができます。
主な食中毒について 全体の内容はこちらから
TOPICS「食中毒について」
主となる食中毒を抜粋してあります。その他については割愛してありますのでご了承願います。