四の講座
味の定義について
風味とは
「味」には五味あると言いましたが、これは味蕾(みらい)で感じる味の事ですが、風味とは「洗練された味、味わい」の意味を持ちますが、Robinは料理の「香り」で味わう味を風味と定義しています。
風味について講義をする前に、匂いはなぜ感じるのか?から講義をして行きます。
匂いは「なぜ感じるのか?」
花などの匂いを嗅ぐ時に、匂いを感じる感覚器は、嗅覚(きゅうかく)と呼ばれています。
嗅覚の仕組みは、鼻の奥にある鼻腔と呼ばれる空洞があり、その奥の上部に匂いを感じる嗅部と、呼ばれる場所に鼻粘膜細胞があります。
花(対象物)や空気中に含まれる匂い物質が、呼気により取り込まれ、鼻粘膜細胞によって刺激をうけ大脳でどんな匂いかを感じています。
風味はどのように感じるのか?
匂いを感じる感覚器は同じ場所です。食事をすると口の中で、食べ物が噛み砕かれて(咀嚼)飛散した香りが、空気と共に、鼻腔内を経てへと抜け鼻から外部へと排気されていますが、この時、鼻粘膜細胞によって匂いとして感じています。
つまり料理を食べると口腔内で味を感じ、次に嗅部で香りを感じる一連の処理により、総合的に味を感じています。
料理を鼻で匂いを嗅ぎ「おしいそう」と認識し、次に料理食べ事で「おいしい」と味を感じます。味覚の初めにも書きましたが、人は匂いを嗅ぎ「おしいそう」と認識したとき、過去に食べた食品と関連付けを頭の中で処理を行い、この匂いはこの味と食べる前に既に頭の中で想像をしています。だからこそ、実際食べた味が過去に食べた味よりすばらしいと「すごくおいしい!!」となり、これが味気なかったりすると「なんか美味しくないな〜」と感じるのです。
もし風味がなければ・・・
食事をするとき、鼻を押さえて食べてみて下さい。口の中で感じる味は五味+一味あると言いましたが、何となく感じる味は強い味つまり旨味以外の味(塩味や辛味等)ではないでしょうか?
それにしても何とも味気けのないことかと思われることでしょう。
よく風邪をひき、鼻が詰まってしまった時など、どんなに美味しい食事をしても「美味しくない」と感じるのは、そのためなのです。
味を感じるために、味蕾(味覚)は大切ですが、鼻(嗅覚)もとても大切な器官なのです。
まとめ
風味とは香りで味わう事と定義をしましたが、一つの香りだけではなく、複数の香りが混ざり合うことで、本来の味よりも豊かになったり、強調させる事ができます。では、香りの使い方について説明をしていきます。
鰻丼を何もかけずに食べると、最初は美味しく食べれますが、たれが濃くて次第にクドクなってきます。
それは濃いたれで、舌や嗅覚が鈍感になります。鰻屋に行くと必ずと言っていいほど、山椒の粉が置いてありますが、これは鰻丼の濃いたれを、山椒の香りが包み込み、風味が豊かになる事で、クドサが取れるためなのです。
香りとは使い方次第で、料理の味を広げたり、逆に押さえたりする事ができます。
西洋ではハーブがあります。ハーブを使う事で、クドイ油料理を飽きず最後まで、美味しく食べる事ができます。
和食でも青ジソや木も芽(山椒)、ミツバなど日本特有のハーブ(香草)が、味のアクセントとなり欠かすことが出来ません。
香りを料理に使用する際、注意しなければならない事は、香りのきつい物同士や、香りが打ち消しあう物同士や、素材そのものの味を大切にしたい場合などは気を配りながら使いましょう。
マツタケのお吸い物では、柚子などの香りの強い物を使うとき、絞り汁を直接入れるのではなく、皮を3〜5mm削り取った柚子皮を入れる事で、マツタケの香りを損なわず、しかも柚子の風味も利かす事ができます。
「風味とは香りで感じる味」と定義しましたが、これに対しては、賛否両論があると思いますが、あくまでもRobinの思想であり、これにより生じた損害は、一切負いませんのでご了承願います。
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